VW Historyトランスポーターモデルを中心に、フォルクスワーゲン車の歴史を紹介しています。

T4(Transporter T4)

VW-T4とは

1990年に登場した4世代目のトランスポーターがVW-T4である。従来のモデルから構造を一新し、水冷エンジンをフロントに搭載したFF車(フロントエンジン・フロントドライブ)に変更された最初のモデルとなる。そのためT3時代と比較すると全長はほぼ変わらないものの外装においてはエンジンが納まるフロントノーズが設けられ、ホイールベースも拡大している。日本ではほとんど見かけないがT4から全長が400mmほど長いLWB(ロングホイールベース)モデルも追加されている。1996年後半には後期モデルとしてマイナーチェンジが施されスクエアな印象からより丸みを帯びたデザインになっている(商用車ベースのバンの一部では前期のマスクを引き継いだモデルも存在します)。エンジンは初期にはディーゼルエンジン(TDI:T4世代からTDIと呼ばれる)をはじめ2.5リッター直列5気筒エンジンが主に搭載され、後期には2.8LのV型6気筒エンジンも登場した。T3時代から見るとやはり近代的なデザインにはなってしまうが最近はレトロな風格も出てきた人気のモデルでもある。

1997年まで国内販売されたVWジャパンモデル

日本国内にて正規で輸入販売されたTシリーズはT4までである。統計によれば1993年11月に正規輸入が始まり1997年まで累計1860台が日本国内の市場に放たれた模様。当時はまだフォルクスワーゲンアウディ日本が正規代理店だった。その後7人乗りミニバンのシャランにうって変わったがT4の販売終了にファンは大きな落胆をしたそうである。ちょうどこの頃にホンダ社のステップワゴンの初代が市場に投入され多彩なシートレイアウトと意外と安価な車両価格に勝てないと判断し輸入販売を取りやめたという話は都市伝説だとか。ちなみに日本での販売名称はヴァナゴン(VANAGON)で、このことからしても日本ではヴァナゴンの名が大きく知れ渡ったの要因でもある。販売モデルはGLのみで、7人乗り乗用車タイプ、フロントシートは回転しセカンドシートを倒しテーブルに見立て「フロントの回転対座シートがつくるコミュニケーションスペース。カーライフの新しい可能性を生んでいます」と当時のカタログでは幸せそうな外国人の4人ファミリーで紹介されている。その他のキャッチコピーは「くつろぎ上手なヨーロッパの人々が育んだ、ゆとりのワンボックスタイプワゴンです」「乗るたびに、走るほどに実感できる楽しさを、たっぷりと秘めています」「大人7人がゆったりとくつろげるゆとりと、フラットなフロア。楽しさあふれる空間です」とばっちりである。と思うのは私だけでしょうか。

カラベルとヴァナゴン、ユーロバンの違いとは?

第4世代のT4でも呼称の違いがある。T3同様カラベルはヨーロッパでのネーミング、しかしT3ではヴァナゴンと呼ばれていた北米はT4世代ではユーロバンと呼ぶようになる。読んで字のごとくヨーロッパのバンという意味。北米の名称は至極簡単ではあるのだが、なんだか奥深い気もするのは私だけでしょうか。日本はT3の91年モデルから引き続きヴァナゴンと引き続き呼ばれる。T3の時代もそうだが、カラベルならカラベルと、ユーロバンならユーロバンと呼ぶべき、と少々お堅い考えの方もいるようだがGAKUYAではどんな呼び名でもOK、好きに呼んで肩のチカラを抜いて楽しんでほしいと常日頃思っています。それでいいと思うんです。

キャンパーモデル

T4においてもキャンパーモデルが多く存在する。ロングホイールモデルをベースにした米国ウィネベーゴ社のキャンパー、同社のモデルでボディ後部を大きく架装したリアルタなどがその代表的なモデル。とはいえやはりWESTFALIA社製のキャンパーが一番有名だろう。実はウエストファリア社の経営状況やフォルクスワーゲン社の関係の変化によりWESTFALIAの名称を冠するモデルはT4が最後である。フォルクスワーゲン社自身が手掛けるキャンパーモデルとして88年から『カリフォルニア』を販売しT4にも受け継がれているが、94年にウエストファリア社が経営破綻し、2003年にフォルクスワーゲン社との提携が解消されて以降は同社キャンパーモデルとしてウエストファリアよりカリフォルニアが定着していくことに。ちなみにフロントバンパーの出っ張りが短いモデルは欧州仕様でカリフォルニアシリーズ、出っ張りが欧州モデルに比べて長いのが北米仕様のウエストファリア、そのなかでも走行距離の積算計がキロ表示されているものがカナダ向けのウエストファリアだと言われている。そのカリフォルニア/ウエストファリアシリーズのキャンパーレイアウトも以前より踏襲されつつ正常進化を遂げている。冷蔵庫はユニット側面に扉があったものがすこし後方に移設され上部の扉へと変更。清水タンクもリアハッチを開けた右側に移設されている。その後のモデルではタンクは左後部のキャビネット内に収納されることになるがこれはT5やT6でも形状は異なるが設置場所はほぼ同じである。家具のカラーも変更され全体的にはT3時代から比べると隔世の感を禁じ得ないが、より近代的に進化したことによりより快適に過ごせるキャンパーへと進化したことも間違いないといえる。

台湾でも製造されていたって知ってる?

トランスポーターはドイツのハノーバーが生産の聖地と言われるが、その他ポーランド、インドネシア、マレーシアにも生産工場があったとか。なかでも日本に輸入されていた有名な生産工場が台湾で、現地の慶眾汽車が1994年から2004年まで製造していたようだ。生産拠点は桃園県観音郷に位置する京王自動車工場。日本でも台湾カラベルと呼ばれているので聞いたこともあると思う。主にT3の後半から使用されている車台番号(車体や車検証に記載)は通常WV2から始まる17桁の番号(W=ヨーロッパ・V=VOLKSWAGEN・2=マルチパーパスビークル)であるが、この台湾製はLACから始まるという特徴がある。気になる方は車検証を見てみよう。その台湾では様々なモデルが生産されていたようだが主に日本に輸入されたのは、いわゆるT4後期というすこし丸くなったモデル。2.5Lの直列5気筒と2.8LのV型6気筒でどちらもガソリンモデルが多いように思う。後者はT4ながら丸目4灯のヘッドライトがオプションで装着されていたので見たことがある方も多いかと思う。1980年に設立された欧州のREIMO製のポップアップルーフを搭載しているのも時々見かける。ともあれドイツ製、台湾製、その他もすべて同じT4、楽しく遊べるモデルという点においては世界共通なのは間違いない。

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