VW Historyトランスポーターモデルを中心に、フォルクスワーゲン車の歴史を紹介しています。

T3(Transporter T3)

VW-T3とは

1979年にT2の後継モデルとしてトランスポーター第三世代、T3が発表される。当初のエンジンは1600ccと2000ccの水平対向4気筒空冷エンジンを搭載。フロントマスク下側のエアーグリルが装着されていないので見た目で判断できる唯一の特徴だ。空冷エンジン生産終了に伴い同時期にガソリンエンジン1900cc及び2100ccが投入されることになる。空冷エンジンをベースにヘッドのみ水冷化した部分水冷の水平対向4気筒エンジンである。MV型の2100ccガソリンエンジンは日本でのT3のほとんどがそれなのでなじみ深い。ちなみに欧州ではディーゼルエンジンもこの時期に投入されている。見た目はそれまでの愛嬌のあるルックスから直線基調のシャープなエクステリアになり、オートマ、パワステ、エアコンという近代化を果たす。詳しく言えばエアコンというよりヒーターとクーラーが両方装備されているという方が正解かも。GAKUYAでは北米からT3をよく輸入するが生まれ故郷であるドイツからはあまり輸入しない。その主な理由はほぼクーラーが装備されていないため。比較的涼しい気候のうえ30年ほど前の時代にそのような贅沢仕様は必要なかったのだろう。後付けできなくもないが高額なうえアフターフォローもしにくい。その点純正ファクトリークーラーは修理も可能でホースやエバポレーターはGAKUYAにて作製やオーバーホールしているのでフォローもしやすいのだ。とはいえ北米でも売買される半分くらいの割合でしか装備されていないうえ、そのまた2/3くらいは使用されていない。しかし装備されていればメンテナンスは問題なしというオチである。ちなみにほとんどが涼しい地域で産まれたため前後ダブルヒーターであるが、ドイツのウエストファリアJOCARは凍結防止のためリアヒーターは無く純正でFFヒーターを装着していた。駆動方式はT2に続きリアエンジン・リアドライブ(RR)を踏襲。この方式はトランスポーター第三世代で終了となるため最後のRR車となる。この時代VW社はゴルフやシロッコ等の水冷FFレイアウトを次々と世に送り出している時期だったが、RRを継承した理由と言われたのがトランスポーターの低床を活かすためと、どうやらVW社内の労働組合の反対を受けたということらしいが真偽のほどは。またT3では初の4WD(シンクロ)がラインナップに加わることになったのも大きな特徴。オーストリアのシュタイア・ダイムラープフ社が手掛けた『シンクロ』は、第四世代へのモデルチェンジによってドイツでの製造を1990年に終えた後も1992年まで生産され続けた。実はこのT3世代で初めてトランスポーターシリーズに固有の車名が付けられたのはご存知でしょうか。まずはじめに北米仕様で『VANAGON(ヴァナゴン)』(VANとWAGONの造語)という車名が与えられ、数年遅れてヨーロッパで『CARAVELLE(カラベル)』という車名が与えられたのだ。日本では1991年のモデルのみ『VANAGON』名で販売されたが、これにはVW日本法人設立と登録商標が関係しているとか。では第三世代を意味する『T3』でいいじゃないかと思うのだが(正確には北米ではT3と称さない)イギリスでは国際基準になったVINに準拠した型式25をとってT25と呼ばれているから少々ややこしいのであります。

日本ではヤナセが販売していた国内モデル

日本ではヤナセが正規で輸入販売を開始『カラベル』という車名で乗用モデルが販売され1991年まで販売を続けていた。しかし1990年にフォルクスワーゲンの日本法人であるフォルクスワーゲンアウディ日本が設立され1991年モデルのみ『ヴァナゴン』名で輸入販売を開始。ヤナセが撤退するまで2社の競合は続いたようです。エンジンはDH型1900ccにMV型2100ccの水冷水平対応4気筒が搭載され、右ハンドル7人乗り乗用型、ボディカラーはブルーツートンJ2J6(マリンブルー/カプリブルー)とブラウンツートンT4D3(モカブラウン/ニュートリア)がラインナップされた(トランスポーター除く)。また日本仕様はスライドドア開閉時に昇降をサポートするステップが取り付けられた。当時の顧客の要望で通常ラインナップに無いボディカラーやシンクロも輸入されたがその台数等詳細は明かされていない。当時のカタログに記載されたキャッチコピーは「手にしたその日から、心の行動半径が大きく広がります」「のびやかに、ゆったりと。ひとまわり大きな時間をお楽しみください」である。ちなみにGAKUYA木下もヤナセもののT3トランスポーターを15年以上乗り続けている。

カラベルとヴァナゴンの違いとは?

よくあるご質問です。これは一番よく聞くであろうヴァナゴン(VANAGON)は北米で使われているネーミングで、カラベル(CARAVELLE)はヨーロッパでのネーミング。南米地域ではマイクロバスと呼ばれる。世代別での呼称であるT3(トランスポーター第三世代)とも呼ばれるが北米ではあまり使われることは少なく、英国では型式25からT25と呼ばれている。日本ではカラベル名で販売されたが1991年モデルのみヴァナゴン名で販売された。リアハッチに貼り付けられたVANAGONエンブレム以外は年式モデルによるマイナーチェンジ以外は同じものである。

ヘッドライトの丸目と角目の違いは?

こちらもよくあるご質問。大分類すれば『丸目2灯』は主にヨーロッパと日本で使用され、『角目2灯』は北米モデル、『丸目4灯』は南アフリカモデルで使用されていた。とはいえ北米でも85年までは丸目2灯が標準、ヨーロッパでも限定で角目2灯もあったことから、大分類は普段よく目にするT3としてのライトバージョンであると思ってほしい。ヘッドライト及びグリルはそれぞれ変更が可能でGAKUYAパーツセンターでは随時在庫している。ちなみにほぼ日本に輸入されずGAKUYAでも入庫歴が過去1台のみなので詳細はここでは割愛するが、南アフリカでは2002年までT3が製造されていた(とはいえ興味深いのでまたいつまマトメてみようと思う)。

たくさんのモデルバリエーションが存在

T3には数多くのモデルが存在する。大分類すればトランスポーターなどのいわゆる働くクルマ系、移動らくらく乗用系、遊んで楽しいキャンパー系と分けられる。全部説明すると大変なので(全部は知らないですが。。)少しだけ小分類を紹介するとトランスポーターではボックスパネルバンに荷台トラックのシングルキャブ(SINKA/ENKA)ダブルキャブ(DOKA/TRISTAR)などが存在する。乗用系はヨーロッパで販売されていたカラベルや北米のパッセンジャーGL、上級モデルのキャラット(CARAT)などがある。限定車も数多く、ヴォルフスブルグエディション(Wolfsburg Edition)や最終限定車ラストリミテッドエディション(Last Limited Edition)などのモデルが代表的だ。列車の線路上を走行し不良部分を修繕するような働くTシリーズも当時では多くあったそう。ちなみに日本で発売されていたヤナセディーラー車はど真ん中の乗用系である。

ウエストファリア(WESTFALIA)

T3シリーズで特に人気なのがキャンパーシリーズ。架装会社としてはご存知ウエストファリア(Westfalia)が有名だが実は日本でお目にかかるヴァナゴンWESTFALIAはほぼほぼ北米仕様。ヨーロッパではカリフォルニア、アトランティックやジョーカー、クラブジョーカーにモザイクジョーカー等の名称で販売されていたが日本上陸車両はそこまで多くないだろう。北米仕様とは細かな部分で違っていたりするので見かけると違いを探してみるのも面白いかも。フルキャンパーを代表にご説明するとレイアウトは現行のT6まで踏襲されているほど使い勝手が良いとされている。フロントシートは回転し後ろを向くことが可能、スライドドアを開けると正面にシンクや冷蔵庫(基本的にはガス・外部電源・12Vの3Wayで稼働するが現時点で使えるものは少ない。ガスならば稼働する可能性が高いですが自己責任にて使用をお願いしております)がありシンク下には収納スペース、冷蔵庫後方には可動式のテーブルが備わっている。リアのキャビネットはフロントとリアに分かれており、フロントはワードローブ、リアは3段収納になっている。フロントのワードローブの扉は縦に長く88年までは先述のテーブルを引っ張り出さないと開閉できないが89年モデル以降は扉が少し短くなっており、テーブルを出さなくても開閉できるようになっている。人気のWESTFALIAだからこそ情報をフィードバックし顧客のニーズに合わせるよう進化しているのだろう。リアシートは簡単操作で約1850mmx1150mmの大人二人が就寝可能なベッドに早変わりし、車両上部にはお馴染みのポップアップルーフがあり、オープンにすると車内は直立できるほど広く使える。もちろんこちらも大人二人の就寝が可能である。他にもキッチンユニットが装備されていない5~7人乗りのウィークエンダーやマルチバンも存在するが日本では希少となっている。気になる方は本場カリフォルニアから輸入するのも良いかもしれない、もちろんその際はGAKUYAにご相談いただければお手伝いさせていただきます。

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